kazenotanino-olのブログ

オフィスで出張先でと全力なOLに突き刺さったモノやコトをもれなく記録して次世代のOLにバトンを…!

何も考えずに楽しめる「孤独のグルメ」

食べることが大好きなのに胃腸に不安を抱えて、いざお皿に向かうと常に消極的な三十路OLのみなさま、ドラマ「孤独のグルメ」はお好きですか?わたくしは大大大好きです。出張や外出時は、脳内にドラマ内のBGMが自動再生されて、気分は井之頭五郎。2018年末の大晦日生放送で柴又帝釈天に五郎さんが現れることを2018年12月ごろの自分に教えてあげたかったです。

 

ドラマ「孤独のグルメ」は、2018年にシーズン7が放送されたことが記憶に新しい、いわゆる飯テロドラマ。放送枠はだいたい24:00前後の深夜の頃合いなので、残業や飲み会終わりのサラリーマンやOLがリアルタイムで楽しむことができます。

たまにYouTubeで番組公式の過去回が公開されたり、Amazonのプライムビデオでも見ることが出来ます。わたくしも、YouTubeでの公式の動画で、初めてじっくり見たクチでございました。

 

毎回美味しそうなお料理が出てきて、これを頬張る松重豊さんを楽しむドラマですが、このドラマ、何も考えずに見ていられると個人的に思うのです。この場合の「何も考えずに」というのは、例えば重いテーマのドラマとか、世の中の最新の動きを報道するニュースと違って、気負わずに眺めていられるところ。どうしても疲れているときって、何も考えたくなかったり、音楽すら聞きたくないときって、ありませんか?(私は音楽大好きな学生時代を送りましたが、社会人になるとともにストレスのせいか、あんなに大好きだった音楽を聴きたいとも、BGMに流したいとも思えなくなったことがありました…)

音楽を流すのもあんまりだし、かといって、否が応でも情報を詰め込もうとしてしまうニュースも辛い。キラキラ輝いた主人公の日常を映すトレンディドラマも、冴えない日常を送る自分の日々と比較してしまって辛い…

でも、無音で無機質な空間に帰ってくる、というのは、オフィスにいるのと同じような感覚になってしまう…

そんなときに「孤独のグルメ」は、優しく寄り添ってくれるドラマなのだと思うのです。

 

ゆるやかかつ軽快、しかし落ち着きのあるアコースティックギターのBGMがそっと始まり、穏やかな空から徐々にゆったりとしと街の風景へとカメラが向けられるオープニング。「ここ仕事で行ったことあるわ〜」なんていう、ちょっと辛かったかもしれない思い出のある街も、このゆるやかなBGMのおかげで「新たな一面の発見」というポジティブな捉え方に変わるのです。

 

そして、足の長いスーツ姿の渋い中年男性・主人公の井之頭五郎が街を歩く様子に切り替わるのですが、五郎を演じる松重豊さんが渋くて本当に素敵。

五郎さんは、輸入雑貨の貿易商を個人で営んでいる設定。お客様との商談の前後と思われる場面がドラマの大半です。冒頭が商談、その後お店探し→実食→エンディングの流れが基本となっており、商談で一仕事終えた五郎さんが空腹を思い出し店探しに奔走する様は、「一仕事終えたあとって清々しくていいよね〜」という気持ちを思い出させてくれます(稀に、一段落と行かず、仕事を抱えたまま休憩がてら食事したりといった貴重な回もあります。そんなこともあるよね)

 

「孤独」だけあって、商談と、お店でオーダーする以外、五郎さんは喋る必要がないので、ほとんどが五郎さんの心の声。松重豊さんの落ち着きと貫禄のあるお声で、食に対するピュアな感想や食欲に駆り立てられる様子が淡々と語られるところは、本ドラマのハイライトといっても過言ではありません。このおかずがああでこうで、こんなに美味しくて…とか、そういう音声ばかりが聞こえてくるのは、ぶっちゃけ無害そのもの。映像も、美味しそうな料理を松重豊さんがただ食べるだけ。鬼のような形相でただ納豆を混ぜまくったり、トンカツの厚さを思わずメジャーで測っちゃったり、コミカルな演出さえも淡々と進むのです。この淡々としたところが、無害で、ストレスなく見ていられる理由だと思います。

孤独のグルメ」の録画を見ながら身支するもよし、ご飯作るもよし、ご飯食べるもよし。あるいは、ソファでぐだぐだするもよし。疲れたOLの心にも寄り添ってくれる…

だからこそ、シーズン7、そして2年連続大晦日の生放送が放映されたりと、愛されるドラマなんだと思います。

松重豊さんがご飯食べてるだけで、私は感無量でございます。